症例検討:パーキンソン病による起立性低血圧に対するリハビリ

症例の方は2年前にパーキンソン病発症後、屋外歩行自立まで回復されましたが、6週間前に意識消失で転倒。以降も、起立性低血圧により毎日転倒を繰り返し臥床生活となりました。
現在は臥位から長座位までは血圧安定しているものの、端座位になると収縮期血圧が20〜30低下、立位でさらに低下し自覚症状も認められています。一方で、臥位に戻ることで20〜30秒で8〜9割血圧が戻っています。

起立性低血圧が認められた時期の前後で服薬状況は変わっておらず、腎機能障害や脱水、他症状がない中で訪問リハビリでできることは何か?というテーマで4名ずつ3組に分かれて検討会を実施しました。

以下はその内の一班で話された内容となります。
頭部の位置変化よりも、下肢の位置に左右されることがポイントと考え、
①弾性ストッキングで静脈環流を促す
②臥位、長座位で下肢運動を行い、静脈環流を促す
③長座位から端座位になる際は片脚ずつ時間をおいて下ろす
④端座位で下肢運動や腹圧を行うとともに足底感覚も促通する。
また前方に置いた椅子に片脚を乗せることで血圧回復するか評価
⑤端座位から床に降り、膝立ち位をとる。立位よりも血圧低下が少ないと予測する
⑥四つ這い保持、移動

他にはトイレと入浴が直近の課題として捉え、いくつか解決法が話合われました。
また、前腕型血圧計で姿勢変換ごとに血圧測定をし、自身の血圧変化を把握しつもらうことも考えられますが、病識低下もあり家族の協力が必須と思われます。

最後に各班の話し合った内容も交換し、起立性低血圧というテーマに関して多くの気づきと学びを得ることができた勉強会となりました。

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