先日、弊社の勉強会に、ある福祉用具業者様をお招きし、最新の機能改善装置のデモンストレーションを実施していただきました。
今回ご紹介いただいたのは、電気刺激(FES: 機能的電気刺激)を用いて身体機能の改善を図る、『L300 Go foot drop system』と『H200 wireless hand rehabilitation system』の2つの装置です。

1.歩行をサポート:L300 Go foot drop system
「L300 Go」は、主に脳卒中などによる障害が原因で、足首が垂れ下がってしまう「下垂足(かすいそく)」の方の歩行をサポートするために設計された装置です。
* 機能の概要: 足に装着し、歩行のタイミングに合わせて電気刺激を与えることで、ご自身の力では持ち上げにくい足首を自然に引き上げ、より安全でスムーズな歩行を促します。
* 体験を通しての感想: 職員が実際に装着して歩行を試みたところ、足が前に振り出しやすくなる感覚を実感しました。従来の装具とは異なり、ワイヤレスで装着がシンプル、かつ軽量であるため、ご利用者様の活動的な生活を支える大きな可能性を感じました。

2.手の機能をサポート:H200 wireless hand rehabilitation system
「H200 wireless」は、手指の麻痺や機能不全をお持ちの方の握る・掴むといった動作の改善を目的とした装置です。
* 機能の概要: 前腕から手にかけて装着し、適切な筋肉に電気刺激を与えることで、麻痺した手指の運動をサポートします。機能訓練と組み合わせることで、日常生活動作(ADL)の再獲得を目指します。
* 体験を通しての感想: 手指の動かしにくさを感じる職員が体験したところ、微細な動きが改善され、コップや物を掴む動作がスムーズになる様子が見られました。これは、リハビリテーションの現場において、訓練の効率を高め、ご利用者様の意欲向上につながるツールだと感じました。

新たな可能性への期待
今回のデモンストレーションを通じて、電気刺激技術の進化と、それがご利用者様の生活にもたらす「新たな可能性」を感じることができました。
特に、障害により「足部の動き」や「手指の機能」が不十分な方にとって、この2つの装置は、単に動作を補助するだけでなく、ご自身の残存能力を引き出し、機能改善を図るための有効な手段となると考えられます。
今後もこのような最新の福祉用具や技術に関する学びの機会を積極的に設け、ご利用者様一人ひとりの自立と質の高い生活をサポートできるよう、専門知識の向上に努めてまいります。