
先日、スタッフ一同で「股関節機能に対する徒手療法」というテーマの外部研修会に参加しました。
今回の研修は、日頃の臨床に直結する非常に深く、かつ実践的な内容で、スタッフ一同、多くの学びを得ることができました。
股関節は、歩行やバランスなど日常生活の基本動作を支える非常に重要な関節です。
この股関節の機能改善を図る徒手療法について、解剖学に基づいた解説と実技が行われ、改めて股関節へのアプローチの奥深さを実感しました。
1.股関節機能と身体の連関
今回の研修で特に印象的だったのは、股関節機能を以下の3つの視点から捉え、それぞれに対する徒手療法の手技が紹介された点です。
① 毛様体脊髄路との連関
普段、リハビリテーションでは関節や筋肉に注目しがちですが、今回の研修では、脳幹から脊髄を下行し、姿勢や運動の自動調節に関わる「毛様体脊髄路」といった中枢神経系の働きが、股関節機能、特に安定性や適切な筋出力にどう影響するか、という点に焦点が当てられました。
この視点に基づく手技は、全身のバランスや姿勢制御の観点から股関節の機能を根本的に改善するための、非常に重要なヒントになりました。
② 皮膚と末梢神経からのアプローチ
皮膚は単なる体の表面ではなく、感覚の受容器であり、末梢神経を通して深部の組織とも密接に連携しています。
研修では、股関節周囲の特定の皮膚領域への徒手的な刺激が、関連する筋肉や関節包の機能に即効性のある変化をもたらす実技を体験しました。
この皮膚へのアプローチは、痛みの軽減や関節可動域の改善において、すぐに臨床へ応用できるテクニックとして非常に参考になりました。
③ 筋の付着部(エンテーシス)への着目
筋肉が骨に付着する部分はストレスが集中しやすく、機能不全の原因になりやすいポイントです。
研修では、この筋の付着部周辺の組織に対する徒手操作が、筋の本来の張力や股関節の安定性を引き出すためにどれほど重要か、解剖学スライドと共に詳細に解説されました。
また靭帯筋反射など解剖生理に沿った分かりやすい解説で、手技の根拠を深く理解することができました。
2.臨床で活かせる実践的な技術
スライドによる分かりやすい解剖学的な解説で理解を深めた後、これらの理論に基づいた各種徒手療法の実技指導が行われました。
特に「即効性のある実技」の指導は非常に丁寧で、参加者同士で確認し合いながら、その場で変化を感じることができました。
また、徒手療法だけでなく、動的安定化を図る運動療法のテクニックについても具体的な指導があり、徒手療法と運動療法を組み合わせた総合的なアプローチの重要性を再認識しました。
3.学びを臨床へ
今回の研修は、私たちの専門性をさらに深め、日々の臨床の場面で「より質の高いリハビリテーション」を提供していく貴重な内容でした。
今回学んだ新しい知見と実践的な技術を早速取り入れ、ご利用者様の機能の改善、そして安心で快適な日常生活の実現に向けて、より一層努めてまいります。
今後とも、最新の知識と技術に基づいたサービス提供を目指し、スタッフ一同研鑽を続けてまいります。













